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小林よしのり
2019.7.25 11:11日々の出来事

日本は契約書ではなく高信頼の社会だった

羽鳥慎一モーニングショーでまた吉本問題をやっていて、
「反社会勢力」との繋がりという論点が、宮迫の思惑
どおり、今は「吉本の幹部が悪い」という論点にすり替わ
ってしまっているのを馬鹿らしく眺めていた。

それでも注目点が見つかるもので、玉川徹氏は根っからの
組織人、しかも安定企業の組織人の論理を主張しているの
であって、だから「契約書、契約書」と連呼する。
契約書が新しい時代の常識だと思っているらしい。

だが、わしが「SPA!」で連載するために交わした契約書
なんかないし、「FLASH」も「小説幻冬」も契約書なしで
描いているので、人気がなくなりゃ切られるだけ!
それは編集長の意のままである。

そもそも日本は「高信頼社会」であって、契約書よりも
信頼で資本主義が回っているのが国柄なのだ。
モーニングショーを見ていたら、吉本の元マネージャー
の言うことはよく分かる。
芸能の世界と、一般企業の組織の論理は、全然違っている。

その上、言っておきたいことがあるが、日産も1万人を
リストラするそうだ。
もはや一般企業とて、契約書で安定が保証される時代では
ない。
企業も、芸能界も、出版界も、弱肉強食が基本論理であり、
根っからの組織人には、それが分からないのだろう。

だからといって、わしが新自由主義を支持しているわけ
ではなく、身障者を生産性だけで排除するような社会は
ダメだという山本太郎の考えには大いに賛成している。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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